2011年09月17日

百合

Lilium amabile
Lilium alexandrae
Lilium arboricola
Lilium auratum
Lilium bolanderi
Lilium bosniacum
Lilium brownii
Lilium bulbiferum
Lilium callosum
Lilium canadense
Lilium candidum
Lilium carniolicum
Lilium cernuum
Lilium chalcedonicum
Lilium columbianum
Lilium concolor
Lilium davidii
Lilium distichum
Lilium formosanum
Lilium grayi
Lilium hansonii
Lilium henryi
Lilium humboldtii
Lilium iridollae
Lilium japonicum
Lilium kelloggii
Lilium kelleyanum
Lilium lancifolium
Lilium ledebourii
Lilium leichtlinii
Lilium leucanthum
Lilium longiflorum
Lilium maculatum
Lilium majoense
Lilium maritimum
Lilium martagon
Lilium medeloides
Lilium michauxii
Lilium michiganense
Lilium monadelphum
Lilium nanum
Lilium neilgherense
Lilium nepalense
Lilium nobilissimum
Lilium occidentale
Lilium oxypetalum
Lilium pardalinum
Lilium parryi
Lilium parvum
Lilium pensylvanicum
Lilium philadelphicum
Lilium philippinense
Lilium polyphyllum
Lilium pomponium
Lilium pumilum
Lilium pyrenaicum
Lilium regale
Lilium rosthornii
Lilium rubellum
Lilium rubescens
Lilium sargentiae
Lilium souliei
Lilium speciosum
Lilium sulphureum
Lilium superbum
Lilium wallichianum
Lilium wardii
Lilium washingtonianum
Lilium wenshanense
Lilium xanthellum

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どんなに百合の名前を並べようとも
あなたの名前よりも高貴なものはない、
とピノッキオは言ったために
あんなにも長い鼻になってしまったのだとか。

「百合の香りの中で死んでしまいたいと思うことがあるの」

「私の帰る家はあの中にしかないのです」と彼女はカサブランカを指さした。

百合のような女だった。真白い肌に、真赤な唇。芳しき香り。だが彼女の名前はクロッカスだった。

「大天使ガブリエルよ、私にもその花を分けてはくれまいか」と欲深な叔母は教会でも欲を張ることを忘れなかった。

私の田舎には、百合の下には蛇がいる、と云う言伝えが存在する。

「心臓の代わりに百合の根を入れてみたんだ」
クロッカスはそう言って眠ってしまった。
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2011年09月09日

ジョギング

「そういえば」とマスター、ひやむぎをつゆにつけながら。
「月がきれいだったね、昨日」と。
「そうですか」とバイトの女の子、ひやむぎをモグモグしながら。
「気付きませんでしたよ」と。
「昨日は猫の目みたいに、紡錘形っていうのかな、円までいかない形の、レモンみたいなヤツだったね。それがぽっかりと群青色の空に浮かんでて」
「絵本に出てきそうな月ですね」
「たぶん、そんな感じ」
ふたり、カウンターを挟んで、間に盛られたひやむぎに箸を伸ばしている。
ひやむぎの隣には、おろしショウガと、刻まれたネギやシソ、ミョウガといった薬味と天ぷらの盛り合わせが置かれている。
「朝晩も若干涼しくなったからね。秋めくっていうのは、いいね」
「いいですね、身体も動かしやすくなって」
女の子、嬉しそうにおろしショウガをつゆに追加する。エビ天をつゆに入れて。
「最近、涼しくなってきたからジョギングを始めようかと思ってるんですよ」
その言葉に、ひやむぎを啜っていたマスターがちょっとむせる。
「珍しいね。どういう風の吹き回し? あんなにメンドウなこと嫌がっていたのに」
女の子、エビ天を頬張って。尻尾まで齧って。
「何ていうかですね。毎年一応、身体は動かしたいと思うんですよ。これくらいの時季に。とくに夏はダラダラしちゃって身体が鈍ってるから、身体を動かして、余分なものを落とさないとって思うんですよ」
へぇ、とマスター、感心した表情を浮かべている。
「だって、身体はシンプルな方がいいじゃないですか。だから余分なものは落として、健全な身体にって思うんですよ。これでも」
女の子、薬味のネギをつゆに追加する。かき揚げをつゆにひたし、食べる。
「まぁ、そうだけどね。一瞬、強迫観念からくる自傷行為かと思ったよ」
その言葉に「失礼ですね」と女の子の頬が膨らむ。
マスターが、若干咳き込みながら苦笑を浮かべて。
「実はオレ、昔はよくジョギングはしてたんだよ。大学を出たくらいの頃。いろいろ嫌なことがあって、嫌なことを忘れるために走っていたってだけなんだけど。
身体がどうこうっていうのより、走っているときの脳みその状態が好きっていうかね、落着くわけではないけど、ラクになれたっていうか」マスターの箸が止まる。
「ちなみに、その嫌なことってなんですか?」女の子、貝柱の天ぷらを食べながら。
「お金がなくなったり、女性に逃げられたり、クルマが壊れたりってことが続いたときだけど。お酒でやり過ごすには重たすぎて、何よりお金がかかるからね。
だから、安く済ませようってわけじゃないけど、何となく走ってみたら気持ちがよかったっていう」ひとり頷くマスター。
「青春を感じますね」と女の子。若干感心したような表情で、ちくわ天に箸を伸ばす。
モラトリアム、だね、と呟いたマスター、天ぷらに箸を伸ばすも、あるのは大葉とししとうの天ぷらのみ。
目の前では女の子がちくわの天ぷらを頬張っている。
「でも、亜沙美さんの食欲には感心するよ」マスター、若干ヒニクをこめて。
「食欲の秋ですからね。やっぱり食べちゃいますよ。だから走らないと」と女の子、さらりと流して。「明日から頑張って、二ヶ月後にはミスユニバース並の体型ですよ」と力強く頷いている。
「ダイエットっていうよりは、悪化しないためのムダなドリョクかと。
ムダこそ、もののあわれなり、だね」マスターが、残りのひやむぎとささやかな天ぷらをさらって。
女の子が美味しそうにお茶を啜って。

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2011年09月03日

淫酒

「紅茶ならロンネフェルトのダージンリンをちょうだい。コーヒーならヒギンスコーヒーのを。とても濃いめで。もちろんブラックよ」
あれこれと注文の多い女だった。
ブレックファストでもランチでもディナーでも。そして、ティータイムのときも。
「わたしの口にするもの、手にするものは、すべてわたしの気に入ったものじゃないと嫌なの。分からない? この『わたし』という絵画を装飾する額縁も、相応でなければならない、ということよ。魅力を損なわず、また、過剰に主張しすぎずに『わたし』という存在を際立たせることができるものよ」
私は、そんな彼女の話に適当に頷きながらコーヒーを、或いは紅茶をサーブするのだった。彼女はいつも何も身に付けない全裸の姿で、お気に入りの革のソファに腰を下ろし、ティータイムを楽しんだ。
「ベッドタイムで楽しむお酒はワインじゃないわ。春ならペルーノ、夏ならラム、秋ならブランデー、冬ならシングルモルトよ。
つまむものはなくてもいいわ。口づけをしながら楽しめばいいんですもの」
私たちはベッドの上でもアルコールを楽しんだ。
もちろん、何も身に付けず、裸のままで。
春ならペルーノ、夏ならラム、秋ならブランデー、冬ならシングルモルトを少しずつ口に流し、高貴な香りを漂わせながら、唇を重ねた。

アルコールに濡れた唇が彼女の魅力を引き立てている。
真白く、滑らかな肌が私に寄り添い、次第に重みが加わってくる。
「いいお酒と、裸の異性がいれば、愉しいひとときになるのよ。
裸の異性も、素敵なひとでなければいけないけど」
女は私の上に跨がり、私の身体を愉しみだした。
唇に、胸に口づけをし、アルコールを垂らし、舌で舐める。
アルコールを垂らす位置は、徐々に下がっていき、臍や、私の敏感なところへと移った。
「わたしが口にするものは、高級なものよ」
そう言って、私の硬直した部位を口にふくんだ。
唇が硬くなった茎を締め付け、腔内で舌が優しく愛撫している。
ときに深くまで飲込み、ときにフルートを吹くように海綿体と体皮が交差する感度の高いポイントを責め、私の反応を楽しんだ。
女は自分の肉体が火照り始めると、私の手を取って自身の望む場所へと導いた。
「胸を揉むときは、優しく、外側から」
「そこに指をかけて。ブランデーの香りを立たせるように、グラスを回す動きをイメージするの」
「アルコールとレーズンの相性は知っているでしょ。ゆっくりとあなたも味わいなさい」
レストランのコースのように、前菜から始まり徐々に盛上っていく。
メインディッシュのひとつである、肉めいたグラジオラスへと口づけを施すと、
女は「そこにお酒を垂らして。どんなカクテルよりも素敵な味になるはずよ」とリクエストした。
私は彼女の言葉に従い、アルコールを垂らし、愛液とともに味わった。
肉体が重なり合い、繋がっている間も、アルコールを楽しんだ。
女の口からアルコールが私の口へと移され、私の口から彼女の口へと運ばれた。

私は淫らにアルコールを楽しみながら、酩酊していく夜を眺めていた。

posted by flower at 13:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 淫詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月02日

アイス

「亜沙美さんて、アイスは何が好き?」
アイス屋の広告を見ながら、くわえ煙草のマスター。
「そうですね、だいたい何でも好きなんですけど。あえて挙げるなら、チョコミントとラムレーズンとクッキー&チョコ、ですね」
バイトの女の子。賄いのオムライスを食べながら。
「俺もなんだよね、チョコミントとラムレーズン。あとはマロン系」
オムライスを頬張っていた女の子が、ちょっとだけ笑う。
「マロン系ってところにお歳を感じますね」
「違うよ、あれこそ普遍性のある甘さのひとつだよ。チョコミントもラムレーズンも、ヨーロッパを経由した感があるけど、マロンは、日本的テイストと言っても違和感ないからね。マロンのアイスを食べた後に、濃茶を飲んだら、この良さが判ると思うんだけどな」とマスター、味を思い出したような表情を浮かべている。
「それは美味しそうですね、確かに」女の子が頷く。
「私は、チョコミントを初めて食べたときに、ちょっと世界が広がりましたね。大人の階段を少しだけ上がったような。ラムレーズンは最近食べるようになったんですけど、コクがあっていいですね」
「ラムはいいね。アイスと相性いいよ。
でも、チョコレート味のアイスにブランデーっていうのもいいんだよ」
女の子が口の動きを止めて、マスターを見ている。
「高校のときの同級生で、渋いヤツがいてね。空手やってて、映画好きで、政治の話とかもする変わった人だったんだけど。そいつは、結構料理も好きで。
そいつが教えてくれたんだよ。チョコのアイスにブランデーをかけて、少しだけ溶かしたのが最高にうまいんだぜって。俺もその頃はビールとか日本酒くらいは飲んでたんだけど、ブランデーなんかまともに飲んだことなかったし、そんなふうに洋酒を味わってもいなかったから、ふたつの意味で驚いたね」
女の子が感心したように頷きながら、再びオムライスを頬張り出す。
「それで家でやろうとしたんだけど、まずブランデーなんかなくてね。とりあえず酒なら、って思って日本酒でやってみたんだけど、ちょっと微妙だったね」
そう言って軽く笑うマスター。
「ちなみに一人暮らしを始めたときに、最初にやったことがそれだったよ。確かに美味しいと思ったね。他にも試してみたけど、やっぱりブランデーとラムかな。ラムは量の加減が難しいけど」マスターが大きく口から煙を吐いて。
「そんなお話を聞いたら食べたくなりましたよ。デザートにリクエストします」
女の子が甘えたような表情をつくる。
マスター、困ったような、引き攣ったような表情を浮かべて。煙草を消して。
「チョコレートのアイスはないけど、バニラでやってみようか? アフォガードのコーヒーにブランデーを加えてって美味しそうじゃない?」
それ、いいですね、と大きく頷く女の子。
マスター、手際よくコーヒーをドリップし、ブランデーを加えて、ガラスの容器に盛られたアイスにかける。純白の丘を褐色の液体が落ちていく。
目の前に置かれたアイスにスプーンを刺し込む女の子。口に運び、束の間、目を閉じる。
そして、満足げな息をこぼす。
「間違いないですね」大きく頷く女の子。「これはウケますよ」と。
その言葉に苦笑するマスター。
「何かいつもお店の商品が亜沙美さんの胃袋に消えていっているような」
新たに取り出した煙草を加え、火を点けるマスター。
「気のせいですよ。むしろ私は大いなる一歩への踏み台ですから」と、女の子。ちょっとだけ胸を張って。
「栄養にはなっているんだなと、その胸とお腹を見て思ったよ」
その言葉に女の子が大きく頬を膨らませて。
マスターがニヤリと顔を歪ませて。
9月の空に煙草の煙がゆうらりと。
posted by flower at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 喫茶 ベダード   | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

愛奴

「この世に生きている限り、誰でもひと役演じるものよ。猫が猫を演じるように、わたしはわたしを演じているの。あなたを魅了する淫らな女を」
真白い肌に、真黒い下着を身に着けた女は、私の方へ長い脚を伸ばすと、口づけを、と催促した。私にこれを断る理由など、ない。女のほっそりとしていながら、適度に肉感を感じさせる脚に、私は丁寧に口づけを施した。
「今日のあなたは奴隷よ。奴隷を演じるの、わたしの恋の奴隷よ」
紫色のマニキュアを塗った爪が私の鼻をつつき、鼻の頭を下り、そして唇を挑発した。
爪は唇をこじ開け、口へと入ってきて−−舌を弄んだ。
私は言葉を発することもなく、弄ばれ、その状況を楽しんでいる。
「わたしはあなたが好きなの。愛しているの。だから−−こんなことをしたくなるの」
女の両の手が私の顔を包み込み、わずかに潤んだ瞳で私を見つめている。
母が子に向ける眼差しのように。愛情と、得体の知れない何かが混濁している。
「あなたのすべてを支配したいわ」
女の真っ赤な唇が私の唇に迫ってきた。指に代わり、女の舌がぬらぬらと私の腔内を蹂躙する。歯の裏に、舌の裏に侵入し、その感触が口腔を伝って脳にまで響く。
私は抗うようにささやかながら舌で応戦すると、女の口に吸い込まれ、愛撫を受けた。
舌が互いの腔内を行き来する濃密な10分間が経過した。
「もっと気持ちよくさせてあげるわ」
女が手錠を持ち出し、私の両手にかけた。私の両手は臀部の後ろで繋がれ、不自由な状態となった。
「しっかりと立ちなさい」
そう言って、立たせたままの私の肉体に女の舌が這い出す。
耳孔に入り、項を這い、乳頭を挑発し、興奮で脈打つ赤黒い茎を責めた。
「罪深き存在」女の唇と舌と指先が敏感なその部分を長々と責めた。
快楽が下半身から力を奪い、立っているのが困難になる。
私がそのことを訴えると、女は「じゃあ、今度はあなたが奉仕する番よ」と私の頭部を掴んで甘い蜜の香りが漂う花芯へと導いた。
黒く細い下着の一部がかろうじて覆う秘所を鼻の先と口で露にし、小さな赤い突起を丁寧に舐めた。女の身体が脈打ち、声が漏れた。
舌先で包皮とその下にある硬く柔らかい花芯の状況を確認しながら舌を這わせる。
丁寧に往復し、ときに吸う。
女の口からは呻くような声が漏れ、鼻からは荒い息がこぼれた。
仰臥し、広げられた女の肉体に痙攣が見えてくると、私は女のクレパスを丁寧に愛撫した。もちろん、唇と舌と鼻のみで。
クレパスの奥にまで舌を射し込んで甘い蜜をかき出し、鼻の頭で敏感な突起を刺激した。
女の臀が浮き上がり、興奮が加速してくる。
女は私の硬くなっている茎を手にすると自身の内部へと導いた。
艶かしく潤んだもうひとつの唇が私を飲込む。
「いいのよ。もっと気持ちよくなって」女が腰を動かし、私に快楽が下賜される。
上下に動かされる腰の内部で、ザラザラとした肉壁と淫らな襞が私を包んでいる。
口とも、手とも違った趣きの快楽が広がる。
「あなたはわたしの愛の奴隷よ。だから、快楽を与えてあげるの。
わたしはあなたの理性も壊してしまいたいの。ほんとよ。
だって、もっとあなたの本能で、わたしを愛して欲しいんだから」
posted by flower at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 淫詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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